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株主の皆様には、ますますご清栄のこととお喜び申しあげます。
ここに当企業集団第99期(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の営業の概況をご報告申しあげます。
これもひとえに皆様方のご支援の賜物と厚く感謝申し上げます。 |
2025年6月
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当連結会計年度におけるわが国経済は、社会・経済活動の正常化や、所得環境の改善等により、緩やかな回復傾向が続いております。その一方で、不安定な国際情勢や、外国為替相場の円安基調等による資源・エネルギー価格の高騰、これらを背景とした物価上昇等、依然として先行き不透明な状況で推移しました。 繊維業界においては、インバウンド需要に支えられ、市況は堅調に推移しているものの、物価上昇の長期化による消費者の生活防衛意識や節約志向は根強く、予断を許さない状況が続いております。 このような状況の中、当社グループは、2023年3月期から2025年3月期までを実行期間とする中期経営計画『ATSUGI VISION 2024』において、「顧客視点に立脚した価値創りへのシフト」、「ブランド力強化による市場ポジションの明確化」、「企業風土改革による強い組織力の実現」、「従前発想から脱却したビジネスモデルの実現」の4つの課題を掲げ、それぞれの課題に対する戦略を推進してまいりました。あわせて、企業ブランド強化策の一環として、「肌と心がよろこぶ、今と未来へ。」をパーパスに、「肌心地から、感動を生み出す フィールウェアのアツギへ。」をビジョンに制定し、グループ一丸となってこれらを実現するための取り組みを進めております。 当連結会計年度は、重点取組項目であるD2C(Direct to Consumer)での販売において、顧客目線での商品企画・開発を行った新たなアイテムの展開や、オペレーション体制の強化により自社オンラインショップおよびECモールでの売上が拡大いたしました。また、Z世代向けの商品を発売する等新たな顧客層拡大へ向けての取り組みが進みました。しかしながら、利益面においては、商品価格の一部見直しで改善を図りましたが、円安の進行による調達コストの上昇、原燃料価格や物流費の高止まり、人件費の上昇、中国自社工場における生産設備移設に伴う稼働率低下等の要因により、厳しい状況で推移いたしました。これに加えて、営業利益および経常利益が減少し繊維事業における収益性が低下したこと、保有資産の有効活用や生産拠点再編等の事業構造改革を実施したことから、同事業に係る固定資産の減損損失および中国生産子会社の人員整理に伴う費用1,826百万円を事業構造改善費用として特別損失に計上いたしました。また、『ATSUGI VISION 2024』において掲げた政策保有株式の縮減方針に則り、政策保有株式の売却を進めたことによる投資有価証券売却益1,772百万円および投資有価証券売却損8百万円を特別利益および特別損失に計上しております。 これらの結果、当連結会計年度の売上高は21,880百万円(前期比3.2%増)、営業損失は930百万円(前年同期は425百万円の損失)、経常損失は233百万円(前年同期は51百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は376百万円(前年同期は1,331百万円の利益)となりました。
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[繊維事業]
(1) レッグウェア分野
記録的な猛暑による販売時期の遅れ等から秋冬商品が苦戦したものの、D2C(Direct to Consumer)販売が拡大したことや、商品価格の見直しを実施したこと等により、同分野の連結売上高は11,613百万円(前期比2.2%増)となりました。
(2) インナーウェア分野
新規アイテムおよび取扱い先の拡大により紳士インナーウェアが堅調に推移したことや、D2C(Direct to Consumer)販売におけるブラジャーや肌着の売上が順調であったことに加え、株式会社レナウンインクスの販売が好調であったことにより、同分野の連結売上高は9,011百万円(前期比4.3%増)となりました。 一方で、繊維事業全般において、既存ルートの卸売り販売数量の減少、中国自社工場の移転および工程集約に伴う稼働率の低下等による製造コストの上昇およびD2C(Direct to Consumer)販売拡大に伴う一時的な経費増加等が減益要因となりました。 これらの結果、繊維事業の連結売上高は20,625百万円(前期比3.1%増)、営業損失は1,378百万円(前年同期は821百万円の損失)となりました。 |
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[不動産事業]
保有資産の有効活用を進めており、2024年10月より神奈川県海老名市に所有する土地の賃貸を開始したこと等により、当事業の連結売上高は638百万円(前期比10.1%増)、営業利益は485百万円(前期比14.9%増)となりました。 |
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[その他の事業]
その他の事業につきましては、太陽光発電による売電は堅調に推移しました。認知症高齢者向け介護施設であるグループホームも堅調に推移しましたが、介護用品の販売は苦戦しました。これらの結果、当事業の連結売上高は616百万円(前期比1.3%減)、営業利益は81百万円(前期比36.0%増)となりました。 |
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