“使いやすさ”を追求し続ける。
現場とともに歩むエンジニア

前職では、クライアントの要望に応じてシステムを開発するSEとして働いていました。しかし、受託開発という立場上、どうしても「完成したシステムを納品して終わり」という区切りがあったため、自社システムの根幹に長期的に関われる環境で、自分の手で仕組みを育てていきたいと考えるようになりました。ちょうどその頃、アツギの情報システム部（現：総務部情報システム課）の求人を見つけ、「メーカーの中でシステムを運用・改善し続ける」という業務内容に惹かれ、入社を決意しました。

前職で培ったこれまでのスキルがどこまで通用するのかが特に不安でした。ですが、入社後は調査や検証を重ねながら新しい開発環境に慣れ、徐々に業務領域を広げていくことができました。自分で手を動かしながら学び、必要な技術をその都度吸収していくスタイルが根付いており、挑戦する姿勢を尊重してもらえる職場だと感じました。

入社当初は、取引先との受発注や物流に関わるシステム開発を担当していました。当時は汎用機やCOBOLを使った開発が中心でしたが、社内基幹システムの刷新を機に、ETLツールを使ったシステム間連携やジョブ管理ツールの設計・運用へと業務が変化しました。時代に合わせて求められるスキルも変わるため、新しい技術を学び続けることが自然と身につく環境です。

現在は総務部情報システム課の課長として、社内システムの運用・保守・開発をはじめ、外部システムとの連携構築、他部署の改善要望に対する要件整理などを行っています。各部署からの「こういう仕組みがほしい」という声を拾い上げ、最適なシステムに落とし込むのが主な役割です。現場の課題を正しく理解し、システムで解決していく過程にやりがいを感じます。

出社後は、まずシステムの稼働状況を確認し、障害などが発生していないかをチェックします。その後は、システムに関する問い合わせ対応を行いつつ、ユーザーからの依頼に応じてシステム開発を行うこともあります。週次では、課内の業務進捗を確認し、新規システム開発に関してはユーザー部門やシステムベンダーとの打ち合わせを行うことが多いです。
月次では、ユーザー部門との定例ミーティングに加え、四半期には決算対応、半期には棚卸対応など、各時期ごとの重要業務にも携わります。
また、夏期・冬期の休暇期間中は、システムの安定稼働を維持するための体制づくりやサポート対応にもあたっています。

1980年代から稼働していた大型汎用機ベースの社内基幹システムを、オープン系の新システムへ再構築するプロジェクトでした。業務フローの洗い出しから始まり、既存業務との整合性を確認しながら新システムに落とし込む必要がありました。導入するパッケージに合わない部分はカスタマイズや外部システム連携で補い、業務を止めずに移行を完了させるため、全社的な協力体制を築くことに力を注ぎました。

もっとも苦労したのは、長年使われてきた仕組みを整理し、現行業務を見直すことでした。部署ごとに運用の仕方が異なり、要件のすり合わせが容易ではありませんでした。それでも、各部門との対話を重ね、全体最適を意識しながら調整を進めた結果、業務を止めることなく新システムの稼働にこぎつけました。多くの部署と協力しながら大規模なプロジェクトを完遂できたことは、大きな達成感につながりました。

システム会社との一番の違いは、システム導入の「企画段階」から携われる点です。現場の課題をヒアリングし、業務改善の仕組みを自ら設計する責任があります。自分で上流仕様の策定から関れる点がやりがいではありますが、自分が決めた仕様がそのまま会社全体の生産性や効率に影響するため、難しい部分だと感じます。

システムや技術への興味はもちろんですが、現場の業務を理解し、よりよい仕組みを一緒に考えていくことが大切だと考えています。現場の声を尊重しつつ、自分の意見を持って課題を整理し、より良い仕組みを提案できる人が向いていると思いますし、一緒に働きたいと思います。

刷新された新基幹システムは外部パッケージをベースに構築されています。そのため、かつての内製システムと比べてユーザー側の操作や調整が増えています。今後は、現場の負担を減らしつつ、より業務に寄り添った改善を進めることが目標です。ユーザーが使いやすい仕組みを作り続けることで、アツギ全体の生産性を高めていきたいと考えています。

情報システムの仕事は、単なる開発ではなく、現場と一緒に課題を見つけ、解決する仕事です。相手の声を丁寧に聞き、最適な仕組みを考え抜く力が求められます。新しいことに挑戦する姿勢と、地道に積み上げる誠実さがあれば、確実に成長できる職場です。ものづくり企業の“裏側”を支えるというやりがいを、ぜひ感じてほしいです。